パチンコ店では風営法施行規則第38条第8号で、管理者に対し法第36条に定める従業者名簿を備え付け及びその記録について管理することを義務付けられています。
従業者名簿は、常時営業所に待機しているもの(社員・アルバイトスタッフ)はもちろん、必要に応じて他から派遣されてくる者であっても営業所に係る業務に従事している者である限り記載しなければならないとされています。
従業者名簿って履歴書みたいなもの?
従業者名簿の記載項目は次の通りです。
・当該営業所に係る業務に従事する者の住所及び氏名
・性別、生年月日
・本籍地、現住所
・採用年月日、退職年月日
・従事する業務の内容
内容は履歴書みないなものですが、書式は風営法で定められています。
従業者名簿備付・記載の注意する点
まずは作成前の年齢確認です。年少者でないことを確認することは同法第50条第2項で定められており、誤って年少者を採用した場合であっても「確認をすべき注意義務に違反した」として処罰の対象となります。
ですので、従業者を採用する際には運転免許証やパスポートなど写真で本人確認できる身分証や住民票など、市町村で記載事項証明の交信力があり照会できるものでの確認が好ましいといえるでしょう。
ここで重要なのは「従業者名簿の備え付け」と「記載義務」です。
履歴書と住民票などの正式な身分証明書が保管してあったとしても、従業者名簿の備え付けや記載項目の記入漏れにより処罰の対象となるので必ず従業者名簿の備え付けと記載事項の確認を行う必要があります。
こんな感じで全く融通が利かないのが官公庁ですね…
従業者名簿不記載の罰則
従業者名簿の記載と備付は風営法で定められた規則であり、不備があればもちろん罰則もあります。
労働基準監督署や警察から従業者名簿を見せるように言われれば従わざるを得ません。
従業者名簿を提出できない場合は、100万円以下の罰金もしくは10日~80日間の営業停止を課されることもあります。
ですが、ちょっとした記入漏れなどは注意していても起こりうるものです。
警察の立入検査で見せしめ的に従業者名簿の記載漏れを指摘され「指示処分」を受けたことのある店も少なくはないでしょう。
従業者名簿は3年間の保管義務があります。
施行規則106条において、「従業者名簿は、従業者が退職した後においても、退職した日から起算して3年間は保存しなければならない」とされています。
また、施行規則107条において、従業者名簿は電気計算機その他の機器を用いて直ちに表示することができるときは、電磁的方法による記録に代えることができます。
言い回しが難しいですが、従業者名簿の備え付けは、パソコンのファイルとしても認められているということです。
従業者名簿が必要な範囲は?
従業者名簿には、常時営業所に待機しているもの(社員・アルバイトスタッフ)はもちろん、必要に応じて他から派遣されてくる者であっても営業所に係る業務に従事している者である限り記載しなければならないとされています。
ですので、派遣会社からの派遣スタッフやコーヒーワゴンなどの店売業者のスタッフ、会員勧誘や総付け景品配布や新台イベント案内を行うコンパニオン、清掃員など日常的に営業の業務に係る者は別法人であっても従業者名簿が必要です。
では、業務に従事しているとは、どの様なケースが該当するのでしょうか?
複数の店舗を総括する部長やエリア長
店舗視察や営業指示、店長や従業員との打ち合わせをするなど、直接的にホール業務に携わらないのであれば、従業者名簿は不要となります。
ただし、店長兼任であったり、定期的に店長代行業務をするなどホール業務に係わるのであれば、たとえ部長やエリア長でも従業者名簿は必要となります。
同一法人・グループ店からの応援勤務
同一法人やグループ店から1日だけ応援勤務する場合であっても従業者名簿は必要です。
同一法人なので所属店舗に従業者名簿の記載・備付があったとしても別の店舗で従事する場合は応援先の店で従業者名簿を用意する必要があります。
頻繁に応援勤務があるグループ店舗では応援勤務用の従業者名簿をあらかじめ用意することをお勧めします。

来店イベントでファンサービスをする芸能人
こちら芸能人の従業者名簿の有無については見解が分かれます。
法律の専門家で「不要」とする人も要れば、営業業務として実施しているのであれば「必要」という見方もあります。
この辺の判断は所轄の担当者へ相談することが確実と言えそうです。
管轄する警察署や都道府県警察本部の見解も温度差があったりします。
SNSでホールPRする演者さん
インフルエンサーとして、ホールPRを付記してSNSに投稿する演者に関してはホールの広告宣伝行為=営業行為として捉えられます。
結論としては、ホール側が依頼して報酬が発生しているのであれば営業に従事していると判断出来るので従業者名簿は必要となります。
YouTubeなど、遊技実況の撮影をホール側が許可しただけなどPRとして広告報酬が発生しない場合は従業者名簿は不要と考えられます。
芸能人や演者への従業者名簿の記載・備付する場合、注意すべきは個人情報の漏洩です。
有名人の個人情報となれば悪用されることも十分考えられるので管理体制もしっかりする必要があるでしょう。
従業者名簿が不要なケース
これまで従業者名簿が必要となるケースと微妙なケースを説明してきました。
次は従業者名簿が不要となるケースを紹介していきます。
メーカーや販売業者の来店作業
メーカーの入替作業や台の打ちつけ大工、設備工事業者など閉店後に行われる業務に関しては従業者名簿は不要です。
日常的であっても閉店清掃業者も閉店後であれば従業者名簿は不要となります。
駐車場や敷地内での屋台やキッチンカー販売
屋台やキッチンカーなどは営業に従事すると判断出来そうですが、従業者名簿は不要です。
そもそも飲食店として営業しているので業種が別となります。
飲食店は風俗営業ではなく、営業許可は保健所の管轄です。
従業者名簿の記載・備付を行えば逆に罰則!?
ホールとは密接でありながら絶対に従業者名簿を用意してはいけないのが「景品交換所の従業員」です。
パチンコが賭博ではなく、遊技として成り立っているのが店が換金を行わないことです。
なので、パチンコ店と景品交換所は同一法人、同一経営者であってはならないとされいます。
近年は防犯の観点からホール建物内に景品交換所が併設されていることもありますが、あくまでも別事業との認識が必要です。
景品交換所の従業者名簿を備付することで賭博場と認めていることにもなり得るからです。



